梅消費低迷の難局打開へ

 梅のトップブランドとして知られる南高梅が昭和40年に種苗の名称登録され、先月29日で丸50年を迎えた。同日にはみなべ町保健福祉センターで記念式典が行われ、先人たちの努力に感謝の気持ちをささげた。
 南高梅が誕生するまでには人々の苦労が重なっている。明治35年に高田貞楠氏が購入して栽植した「内中梅」の実生苗60本の中から実に紅が入る優良種「高田梅」を発見。昭和6年には小山貞一氏が門外不出だった高田梅の接ぎ木による育成に力を注いだ。昭和25年には上南部農協の組合長だった谷本勘藏氏の呼びかけで、優良母樹調査選定委員会が発足。5年間にわたって調査を実施した結果、高田梅を選抜した。南部高校園芸クラブの生徒も協力したことから学校の名前に由来した「南高」と名付けられたといわれる。昭和38年には種苗登録を出願し、40年10月29日に農林大臣から許可を受けた。
 その後、南高梅の栽培は広まり、昭和52年に一大消費地の関東地方に売り出そうと試みた。しかし、同地方では受け入れらることなく、当時について前町長の山田五良さんは「果実が赤みがかっていたことから『梅ではなくモモだ』と酷評されたことがあった」と以前に話されていたのを覚えている。しかし、その後も絶え間ない努力で、いまの有名ブランドの地位を築き上げることができた。
 その南高梅が平成14年から消費が下降傾向に転じている。農家の経営は近年になく厳しい。かつての先人が地域を潤す産業として確立したが、今後は現代の人たちがこの難局を打開する番。いまを生きる人たちは過去から引き継がれてきた産業を未来につなぐ使命がある。それが先人に感謝を気持ちを伝えるということではなかろうか。(雄)

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