心のよりどころが必要

 昨年度、県内の公立小中学校で認知されたいじめは3692件に上り、前年度より1057件も増加。児童・生徒1000人当たりの件数は33・8件で全国平均(13・7件)を大きく上回り、全国でワースト6となったことが文科省の調査で明らかになった。
 県教委は「どんな小さなサインも見逃さず、積極的に認知した結果」とし、現場の教師らが問題の早期発見に力を入れたことが増加の要因と分析。仁坂知事も「件数が多いのはよいことではないが、問題を捕捉できず、解決もできていないよりはマシ」という。
 一方、長期欠席者のうち病気や経済的理由を除く「不登校」の多さも和歌山県は深刻。昨年度の全児童・生徒に占める不登校の割合は小学校が0・53%、中学校が3・21%で、小学校は全国最下位、中学校はワースト3位となっている。
 いじめが多く、不登校も多いというのは関連しているのか。学校はいじめをなくすことを第一に、親は学校に行きたがらないわが子と向き合い、学校で居場所をなくした子どもが家でも孤立してしまわないよう適切に対処が求められる。
 都会では、不登校を思春期の子どもの生活スタイルの1つととらえる取り組みもある。親も教師も長期欠席をつまずきや失敗、問題といったマイナスに考えず、同じ境遇の仲間が自由に集い、学べる学校以外の居場所、フリースクールが成果を挙げつつあるという。
 若者の長期ひきこもりからの社会復帰、自立を支援するための施設が美浜町にオープンした。ひきこもり経験のある若者が自らの経験をもとに、自分と同じように苦しむ若者を助け、育てていく共同生活施設。学校でも家でもない、新たな心のよりどころ、「プチ家出の家」に注目したい。    (静)

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