寺内町に「御坊天神堂」8日オープン

 節句の贈り物として親しまれていた御坊人形をもとにオリジナルの「天神人形」を創作した祭具師の杉本卓治さん(48)が代表となって、寺内町に8日、新しい土産物店「御坊天神堂」をオープンさせる。人形をはじめ、天神さんにあやかった合格祈願のお茶、まんじゅう、梅、マグカップを販売。日高別院のすぐ近くで、将来的には住民らが憩える町カフェにしていきたい考えで、寺内町の新しい観光スポットになりそうだ。
 日高地方ではかつて、節句のお祝いに御坊人形を贈る習わしがあったが、後継者がいないまま最後の人形師が亡くなってからは途絶えていた。獅子頭などを作る祭具師の杉本さんはことし1月、知人から「御坊人形を作ってみては」と声をかけられ、天神人形をもとに目と耳を大きくするなど杉本流のオリジナルの天神さんを夏に完成させていた。
 天神さんは学問の神様・菅原道真で、合格祈願にと市内の学習塾「ステップアップ塾」経営の喜多徹さん(54)が杉本さんに20体を注文したことがきっかけで、御坊の伝統文化を広くPRしていきたいとの思いを持っていた2人が意気投合。寺内町には休憩する場所や土産物店が少ないこともあり、「地域活性化にも貢献できれば」と今回、2人が協力して日高別院正門から南約50㍍、2年前から空き家となっていた築80年の町屋を借りて「御坊天神堂」(御坊市御坊48)をオープンすることにした。1階の約30平方㍍が店舗で2階は喜多さんの居宅となる。
 販売するのは高さ30㌢の天神人形(張り子1体3万5000円、練り物1体3万円)のほか、天神人形をかたどったまんじゅう(1個150円)、ハチミツ漬けとシソ漬けの2種類ある梅干し(330㌘入り1200円)、天神人形をイラストにしたパッケージが目を引くお茶「天神香茶」(40㌘500円)、マグカップ(1個500円)。お茶の「八百香園」、郷土銘菓処「ふく田」、大洋化学など地元の商店や企業の協力で商品が完成した。いずれも合格祈願グッズとしているが、寺内町観光の新たな土産としても注目されそう。天神人形は製作に約2カ月かかるため、基本的に注文を受けてから完成後に発送する。店舗の畳敷きスペースはテーブルを置くことにしており、気軽に休憩してもらえるようにする。
 オープンするのは当面、日曜日と祝日だけで時間は午前10時から午後5時。初日の8日は先着50人に店内でお茶を振る舞い、まんじゅう1個をサービスする。杉本さんは「寺内町観光に訪れる県外の人も多いので、気軽に立ち寄ってもらい、御坊の魅力を少しでも発信していきたい」、喜多副代表も「将来的には商品を増やしたいし、住民や観光客が憩える町カフェにして、御坊の名所の一つとなっていければうれしい」と話している。問い合わせは喜多副代表℡0738⑳1327。

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