比井崎漁協が「くえのもつ缶」開発

 日高町阿尾、比井崎漁業協同組合(初井富男代表理事組合長)が、3年越しで地元名物クエの胃袋を使った缶詰め「くえのもつ缶」を開発した。大型魚で知られるクエだが、胃袋は1匹にわずか100~200㌘しか取れないという珍味で、コリコリした独特の食感を生かして甘辛い味に仕上げた。1缶(80㌘入り)1000円で、阿尾漁港内の直売所で販売しており、新しい町の名物として人気が出そうだ。
 クエはスズキ目ハタ科に属する海水魚で、高級食材として有名。日高町はクエの町として知られており、民宿などで提供されているほか、クエフェアなどPRイベントも行われている。クエは料理にすると捨てるところがないと言われ、胃袋は民宿などで湯引きや白みそ煮などにして振る舞われることもある。
 漁協では、当初地元で水揚げされたサバを使った缶詰めをメーンに開発する予定だったが、名物クエの胃袋を使った商品も作ることになった。最初は漁協職員らが食材を煮込んで味を調整したり、缶詰めのパッケージを考えたり試行錯誤。賞味期限は3年間となっているが、その間に味が薄く変化することも考えて濃い目の味付けにした。缶詰めにする専用の機械や工場が地元にないため、県内で唯一缶詰めが作れる勝浦漁協に製造を依頼した経緯もある。
 阿尾漁港で年間さばかれているクエは約50匹。胃袋も有効活用するのが狙いだが、1匹につき一つしかない胃袋から製造できる缶詰めは2缶から4缶。今後も年間150缶程度の限定生産で、高級珍味と言える。胃袋は淡白な味わいだが、コリコリした食感が特徴で、甘辛く煮込んで缶詰めにしたことで、酒のさかななどにもってこい。漁協では「全国的にも胃袋の缶詰めはないと思う。ぜひご賞味を」とPRしている。
 同時開発したサバの缶詰めは1缶(190㌘)で450円。味は①日高町特産のミニトマトを混ぜたしょうゆ煮②梅酢入りしょうゆ煮③みそ煮④しょうゆ煮││の4種類。こちらも地元産業振興に一役買ってくれそうだ。
 缶詰め開発には、平成25年度に国から日高町経由で過疎集落等自立再生緊急対策事業として86万8070円の補助金を受けている。

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