日高高校などが地方創生クラスター設立
- 2015/4/18
- 社会
県内の日高、田辺、海南、那賀の4高校は、15年後の2030年に予想される地域の課題を、世界の生徒と対話しながら自ら解決する力を身に付ける経済協力開発機構(OECD・本部=パリ)のプロジェクト「OECD地方創生イノベーションスクール2030」に参加するため、ともに研究する和歌山クラスター(集団)を設立。3年間、グローバル化を通じた過疎対策などをテーマに、同じ課題を持つ世界のパートナー校と協働で研究する。
17日に4校の校長が、和歌山市内の県教委記者クラブで会見を開き報告。「OECD地方創生イノベーションスクール2030」は、東日本大震災後、OECDが福島、宮城、岩手の各県の中高生を集めて行われたプロジェクト「OECD東北スクール」の成果を継承しようと、今月14日、東京大学や福島大学がOECDと連携して発足。2030年に予想される過疎や少子高齢化、環境などの地域のさまざまな課題を高校生自身が解決する力を身に付けることを目的としている。
プロジェクトは国内や海外でクラスターと呼ばれる集団を構成し活動。国内では東北、広島、和歌山と全国高専機構の4拠点で設立。和歌山では昨年10月に日高高が創立百周年記念のアジア高校生フォーラムを開催した際に出席したOECD関係者から高い評価を受けたことで今回の取り組みを紹介された。日高高では国際理解教育の認識をともにする那賀、海南、田辺の3校に声をかけ、和歌山クラスターを設立。国内4クラスターのうち唯一教育委員会や大学が入らない高校だけのクラスターとなっている。
各クラスターは環境、エネルギー、防災、グローバル社会、少子化、高齢化、ICTをテーマに取り組み、和歌山では主にグローバル化による人口減少対策などに取り組む。具体的には世界を視野に入れて活動している地元企業の訪問や体験などを通じ、課題解決方法を学ぶことで、自ら課題を見つけ、解決する力を育成する。日高高校では総合学習や課題解決の授業などを活用して進める。
またプロジェクトの特徴は世界の学校とパートナーとなって協働で研究することで、パートナー校はことし8月にヨーロッパやアジアの各国の中から決まる。プロジェクト期間は3年間。今後のスケジュールは、各校で研究を進め、本年度中に和歌山クラスターの4校で合同発表。来年8月にパートナーの海外の学校と研究報告、最終年の2017年8月に国際会議での最終報告を目指す。