聞き上手こそ話し上手
- 2015/3/28
- 日高春秋
とある美容室では「話が上手かどうか」で、店長になれる、なれないが決まる場合もあるという。ある程度、経験を積めば「技術は変わらない」ので、お客さんをしっかりとつかめるかどうかが出世の重要なポイントとなるようだ。要するに、職人気質だけでは出世が叶わず、コミュニケーション能力が大きく問われる。これらの内容は、日高町商工会のセミナーで講師を務めた中小企業診断士で「一流芸能人がやっているウケる会話術」などの著書がある難波三郎さんが話されていた。
難波さんは雑談力アップをテーマに参加者を指導した。記者の仕事でも雑談は重要。いきなり取材対象に「記事をください」なんていっても相手にしてもらえるはずもなく、何気ない会話からいろんな話を聞き出さなければ仕事にならない。雑談、即ちコミュニケーション能力は必須であり、興味深く難波さんの話に聞き入った。
ややしゃべり過ぎと指摘を受ける筆者が、一番心に残ったのが難波さんの「話し上手になるには、聞き上手になること」という教え。相手からいろんな話を引き出し、会話を盛り上げてこそ信頼関係を構築でき、「聞き上手こそ話し上手」と認識しなければならないということだ。例えば美容師なら「この前、旅行に出かけるとおっしゃっていましたが、いかがでしたか」と切り出せば自分に興味を持ってくれているとの印象を与えられ、会話が弾む可能性を高められる。聞き上手になるためには相手に「何を話そう」ではなく「何を話してもらおう」との姿勢が重要。妻に「私の話を聞いてる?」と叱られているようではまだまだだろう。まず身近な夫婦、親子間から「聞き上手」を実践し、雑談力を高めていこうと思う。 (賀)