渡る世間に鬼はなし

 1月はいく( いぬ、いぬる )といわれるように、あっという間に過ぎ去った。1カ月間を振り返ると、外国で日本人が標的となった人質事件など思いもよらぬ事態に心痛めた1年の始まりの月であった。全国的にも「人を殺してみたかった」と女子大生が知人の高齢女性を殺害したり、和歌山県でも中学生による傷害事件など、例年にないほど世間に衝撃を与えたニュースが多かった。どうか2月は、いやこれからずっと、痛ましい事件が起こらないでほしいと誰もが願っていることだろう。
 その2月もきょう3日は節分である。冬という季節が終わり、翌日は立春。まだまだ寒い日が続き春の息吹は感じられないが、暦の上ではもう春だ。そういえばもう長いこと豆まきをしていない。子どものころは玄関から「鬼は外」と思いっきり豆を投げたものだが、最近はそんな家庭も少なく、どちらかというと巻きずしの丸かぶりの方が定着しているように思う。それはそれでいいが、1年に1度の節分にはやはり「オニ」退治をしたいもの。
 オニは一人一人の心の中にもあろう。筆者のように「怠けオニ」を心の中に住まわせている人もけっこう多いかもしれない。子どものように「忘れ物オニ」や「朝寝坊オニ」、「あわてん坊オニ」ならかわいいものだが。少なからず誰しも心当たりがあるのではないか。そんなオニを外に追っ払い、子どもなら「早寝早起き朝ご飯」、筆者なら「常に新しいことにチャレンジ」など、それぞれの福を自ら招き入れようではありませんか。せちがらい世の中、何より人を思いやる気持ちを持ちたいもの。渡る世間に鬼はなし。情があふれる世の中であることを心から願う。    (片)

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