永遠の別れに絆を強める

 このところ立て続けに親類、知人が亡くなり、喪服に着替えてお参りばかり。宗派が違えばお通夜の流れにも多少の違いがあり、宗教自体が違うとお参りの仕方に戸惑うことも。
 「法華骨なし」「浄土情なし」など、他の宗教の信者を揶揄する言葉もあるなか、筆者は「門徒もの知らず」の浄土真宗。年末に親類が亡くなり、いまは忌明けの四十九日までの七日参りが続いている。
 毎週、耳慣れた『正信念仏偈』で始まり、親戚一同は経本を繰りながら、住職の声に合わせて合唱。約20分のお勤めはある種、ライブのような一体感があり、先日、故人の命日には『仏説阿弥陀経』をいただいたが、リードボーカル(住職)のあまりのテンポの速さに誰もついていけなかった。
 こうべを垂れてありがたい御文章をいただいたあと、元教師の住職が親子の絆や言葉の意味について話をされる。先日は、故高倉健さんの座右の銘、「行く道は精進にして 忍びて終わり悔いなし」という言葉について教えてもらった。
 この言葉は阿弥陀如来がまだ菩薩のころ、修行時代におっしゃった言葉で、健さんは親交のあった比叡山の大阿闍梨、故酒井雄哉さんから贈られたという。意味はどんな苦難に身を沈めても、悟りを求めて耐え忍ぶ。最期まで「男の中の男」を貫いた健さんにしか似合わないこの言葉は、そのまま遺言のようにも聞こえる。
 どの仏様、神様にしろ、子どもからお年寄りまで親類縁者が集う法要、お参りは、故人とつながると同時に、現世の人と人との絆を強めるタイミングでもある。もちろん、凡百の筆者は健さんのようなしんどい生き方はできないが、どんなに忙しくともせめて、故人が与えてくれたこの機会に時間を惜しまないようにしたい。    (静)

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