国民の幸せは政治から

 アメリカとキューバが国交正常化に向けて動き始めた。50年以上の断交から一転、融和への動きに、各国メディアもおおむね歓迎ムードではあるが、1492年、ともにコロンブスが「到達」した両国の対立の歴史に学ぶべき点は多い。
 16世紀以降、ヨーロッパ列強が競って他国を侵略、自国語を強制、文化を否定し、資源を奪い尽くす植民地化を進めた。キューバはスペインが征服。20世紀初頭にアメリカの力で独立したが、実質は支配者が変わっただけで、資本はアメリカが独占、政治腐敗が進んだ。
 独立後の親米政権はアメリカの傀儡。一部の企業とマフィアが儲け、国民は福祉も教育も与えられず、街は一見、近代化しながら、歪んだ自由経済がキューバ国民を苦しめた。この状況はいまもグアテマラなど中米諸国にみられるが、そこにフィデル・カストロやチェ・ゲバラが登場し、革命を成功させた。
 富める資本家を悪とし、労働者に強い支持を集める社会主義は、武力で権力を握った軍事政権の大義名分となるが、独裁政治に陥りがち。新たなキューバはアメリカと敵対、ソ連と手を組み、社会主義の道を歩んだ。しかし、リーダーのカストロは決して国民から自由を奪わなかった。
 国民が幸せになれるかどうかは、何より重要な経済の力をどう回すか。つまりは政治体制、社会主義のキューバが「貧しくとも明るい」といわれるのはまさにそれで、かつてのアメリカ主導の経済と政治は一部が富を独占、国民が怒りに目を覚ますまでの教育さえ与えなかった。
 新安倍政権が発足した。日本国民のため、景気回復の実感が津々浦々にまで広がるようアベノミクスを優先し、領土を奪おうとする他国の脅威には断固対抗できる体制づくりを。 (静)

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