昭和南海地震から68年

 爆弾低気圧の影響で北海道を始め全国各地で雪や風による大きな被害が出た。幸い日高地方では被害はなかったが、今冬一番の寒さに口から出てくるのは「寒いなあ」ばかり。冬らしいといえばその通りだが、いくら冬でももう少し寒さが和らいでほしいとは誰もが思うことだろう。寒風吹きすさぶ中、屋外での取材は、四十路を迎える筆者には若いころにはそれほど感じなかった体への負担が身にしみる。そしてふと思い浮かぶことがある。もし今、南海地震が起こって津波が襲ってきたら、高台に避難できてもこの寒さをしのげるのだろうかと。
 1000年に一度といわれる南海トラフの巨大地震が起こった場合、最悪のケースでの全国の死者は32万3000人、和歌山県では9万人とされている。最悪のケースとはいろんな条件があるが、季節や時間帯でいうと「風の強い冬の夕方から夜中」とされている。想像してみてほしい、冷たい風が吹き付ける夜中、突然大きな揺れに襲われ、着の身着のまま家を飛び出して避難したときのことを。もちろん無事避難したことが大前提だが、ライフラインがストップしている状況で暖を取るすべがない中で、どう命を守れるのだろうか。
 昭和21年12月に発生した南海地震からあさって21日で丸68年になる。起こったのは午前4時19分ごろだったとされる。まさに最悪に近い時間帯といえるが、東海、東南海との3連動ではなく、過去の南海地震と比較しても小規模だったことなどから最悪のケースとまではいかなかったが、それでも和歌山、高知、徳島で死者・行方不明者1443人にのぼった。いつくるか分からないからこそ、いつでも行動できるよう機会あるごとに防災を考えてほしい。  (片)

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