日高川町の報奨金問題 町長が不起訴理由説明

 日高川町から有害鳥獣捕獲報奨金をだまし取ったとして詐欺容疑で書類送検されていた元嘱託職員の男性が不起訴処分になったことを受け、市木久雄町長は14日、議会全員協議会で不起訴となった経緯を報告した。イノシシ等の個体がない上、写真だけで証拠とすることも、DNA判定もできないことから、不正請求を立証できないことが理由。市木町長は「12月議会で町民の皆さんに報告し、議員の皆さんの声を受け止めながら今後の対応を決めたい」と述べた。
 元嘱託職員の男性は、イノシシやシカの肉を食肉に処理加工する施設、ジビエ工房紀州に勤務(ことし3月5日に解雇)。平成23年11月から25年1月までの間に虚偽の書類申請で町から合計7件分、10万5000円を不正にだまし取ったとして、3月24日に書類送検されていた。警察では不正受給について自供したものの、5月以降、町や議会との話し合いでは「何もやっていない」と否認している。
 この日の全員協議会で市木町長は、「検察庁で調べていただいた結果、個体もしっぽも焼却処分され、DNA判定もできず、写真も専門家にみていただいた。検察庁によると、嫌疑がまったくないわけではないが、客観的証拠がなく不正受給の立証は難しいという判断だった」と報告。民事訴訟については「お金も時間もかかる。新たな証人が現れるか、男性の供述をくつがえせる証拠がないと勝つことは難しい」との見解を示した上で、「皆さんの意見を聴いて対応を考えたい」と話した。議員からは「不起訴となったままで、何も対応しないとなれば住民に腰砕けと思われる」との声が出た一方、「民事裁判をやるとなっても物的証拠がない以上、やるだけ無駄」との意見も寄せられた。
 今回の問題を受け、舞台となったジビエ工房の運営について、ハンターからふるさと振興公社が肉を買い取って(利用者の会が食用に解体処理)、販売するという現在のやり方をことしいっぱいで取り止め、来年からはハンター自身が肉を食用に処理、販売し、公社は施設の管理・運営だけ行う方針を固めている。

関連記事

フォトニュース

  1. おにぎりはやっぱり梅!

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る