危機意識すり減らさないで

 今月に入って週末に連続発生した台風18号と19号。全国的には被害が出たところもあったが、幸い日高地方は大きな影響がなく、秋祭りも予定通り開催できた。それはそれでよいが、筆者自身、報道関係者ながら、どうも気象予報やテレビニュースなどが大げさで危機感をあおり過ぎではないだろうかと思う。
 もちろん、災害に対しては油断せず、「備えあれば憂いなし」は当然のこと。しかも、ことし8月に広島市で発生した大規模土砂災害では避難勧告の遅れで大きな被害が出たこともあり、過熱気味になるのは分かる。そしてそれが国民の危機意識向上につながるのも理解できる。
 しかし、これがどんな影響をもたらすか。例えば日高地方で考えてみると、台風19号が接近すると予想された今月11日から13日までの3連休。当初の予報では日曜日の12日も被害が心配されていた。だから中止したイベントもあり、御坊・日高への観光を予定していた人の中には旅行を見送った人もいるのではないだろうか。しかし、結局のところ、日曜日どころか翌日も大きな影響がなく台風が通過。ホッとひと安心した半面、失ったものへの残念感もある。何よりも、毎回毎回警戒している身としては疲れてくる。「被害がなかったからよかった」と感じるより、正直何か損した気分になる。
 そうなるとオオカミ少年の話を思い出す。確かに、大自然のことなので予報は難しく、安易な情報で責任を負うリスクを避けたいのは国もマスコミも同じだと思うが、あまり過熱すると、逆に国民の危機意識がすり減るかもしれない。そういった意味で、的確で責任を持った予報、報道に期待したい。        (吉)

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