命を守る手立てと心構え

 新潟県中越地震が発生して今月23日でちょうど10年になる。県道沿いの土砂が崩れ、車ごと生き埋めになり奇跡的に生還した当時2歳の男の子が12歳になった今の心境を語った記事が大手紙で掲載されていた。助けられた命、将来は自分が人を助ける仕事がしたいと力強く話していたこと、亡くなった母親の代わりに育てている祖父母の「○○は私たちの生きる希望だった。私たちをも救ってくれた」との内容の言葉に胸が熱くなった。弱冠12歳の子どもがこれほど高い志を抱いていることからも、祖父母の深い愛情が伝わってくる。と同時に、自然災害の脅威、無情さを感じずにはいられない。
 長野県の御嶽山もまた、予期せぬ自然災害である。登山愛好家に親しまれ、小学生でも登れる登山道という。まさか噴火するなんて、と誰も予想できなかっただろう。東日本大震災が一つのきっかけにさまざまな自然災害を誘発しているという指摘もある。人は地球に、そして自然の中で生かされていることをあらためて思い知らされた。自然の脅威の前に、人はあまりにも無力である。
 スーパー台風ともいわれる猛烈な勢力の19号が、日本列島、中でも近畿を直撃する可能性が出てきた。台風はこれまで何度も日高地方を襲ってきたが、今回は勢力が過去最強クラス。どうすれば自分や家族の命を守れるか。先週の台風18号では各自治体が「結果的に空振りになってもいい」と避難勧告や指示を積極的に出したという。しかし、避難するかどうかは住民次第。さらに勧告を受けた地域の住民全員を受け入れる施設や態勢は本当に整っていたのかの検証も必要だろう。命を守るため、一人一人が真剣に考えなければならない。    (片)

関連記事

フォトニュース

  1. エビいっぱいとれたで

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る