合併20周年へ梅景気回復を

 平成16年10月1日に旧南部町と旧南部川村が町村合併し、ことしで10年を迎えた。合併前は田辺市周辺の広域圏での枠組みも検討されたが、両町村は広域圏から脱退して2町村での小さな合併を選んだ。その後、町名などが決まり、比較的スムーズに新しい町が誕生した。合併は結婚に例えられることもあるが、両町村はまさに相思相愛でゴールインしたといえるだろう。
 合併のメリットは、行政のスリム化によるコストの削減が大きい。複数の自治体が1つにまとまることで、首長や職員、議員らの人数を減らすことができ、人件費の節減につながる。行政運営の効率化が図られるのも利点の1つである。これらのメリットに加え、旧南部町と旧南部川村の場合は、特産の梅についても効果があった。合併前までは梅の生産量は田辺市がトップだったが、2つの自治体がまとまることで、新町のみなべ町が田辺市を抜いて全国トップに躍り出た。名実ともに「日本一の梅の里」としてアピールできるようになったことは大きい。
 ところがその梅産業が、合併から10年が経過した今、大きく変化しつつある。価格は半分程度に落ち込み、梅畑にも休耕地が増えてきている。今後は後継者の育成も懸念され、梅農家にとっては危機的な状況だ。
 しかし、合併により2つの梅の産地が1つとなったことで、効果的に消費拡大対策を打ち出しやすくなった。苦難に対しても知恵を出し合いやすく、環境も向上した。産地にとっての問題も大きいが、梅が景気回復することで地域の他の産業にも好影響を与える。平成36年の合併20周年を、いま以上の笑顔で祝える日が来ることを信じたい。     (雄)

関連記事

フォトニュース

  1. よいしょっと

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る