御坊で沖縄伝統の組踊鑑賞会

 御坊市制60周年記念事業、文化庁補助事業の「組踊特別鑑賞会」は23日、御坊市民文化会館大ホールで開かれた。出演は社団法人伝統組踊保存会。組踊(くみうどぅい)はユネスコ無形文化遺産に登録、国指定重要無形文化財に指定されている沖縄の伝統芸能で、18世紀に能楽等をもとに創作。今回は「道成寺物」の一つ「執心鐘入」が披露され、約800人の観客は華やかな衣装で演じられる安珍清姫伝説に似た物語を楽しんだ。
 第1部は、老人踊・若衆踊・二才(にせ)踊・女踊と4曲の琉球舞踊が披露された。胡弓や三線など伝統楽器による地謡に合わせてゆったりと優雅に舞われ、観客はうっとりと見入った。
 休憩をはさみ、第2部が「道成寺物」の一つとされる組踊「執心鐘入」。女に追われる男が鐘の中にかくまってもらうという大筋は同じだが、設定などは異なっている。奉公のため都の首里を目指す美少年・中松が一夜の宿を求めた家で若い女に言い寄られ、拒むと命をとられそうになり、寺へ逃げ込んで鐘に隠してもらう。追ってきて鬼女と化した女を、僧侶が法力で調伏するという物語。組踊は中国皇帝の使節をもてなすため能楽などをもとに創作されたもので、能のようにゆったりとしたテンポの優雅な動きで演じられる。ひと味違う「道成寺物」に、観客は興味深く見入った。クライマックスの鬼女と僧侶の対決の場面では動きが少し速くなり、祈禱(きとう)する僧侶らと鬼女が舞台をぐるぐると回って迫力を見せた。小坊主のやりとりなどユーモラスな場面もあり、観客の笑いを誘っていた。終演後、伝統組踊保存会の眞境名正憲会長があいさつに立ち、「『執心鐘入』は道成寺の安珍清姫伝説がもとになっており、伝統芸能を通して沖縄と和歌山に交流が生まれたことをうれしく思います。10年後の市制70周年でもぜひ披露させていただきたい」と述べた。

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