変わるか 教育委員会

 全国学力テストの結果、和歌山県は小中とも全科目の平均正答率が全国平均を下回った。さらに小学校の国語の基礎知識を問うAは全国最下位。県教委は「危機的状況」ととらえ、すぐさま学力向上対策本部を設置し、巻き返しに本腰を入れ始めた。
 詰め込み教育の反省から、平成14年から完全学校週5日制などのいわゆる「ゆとり教育」が本格的に始まり、その結果、子どもにも教師の側にも弊害が大きく、とくに学力は家庭の経済力によって学習量に差がつき、やる子とやらない子、できる子とできない子といった二極化を招いた。
 国家百年の計といわれる教育。学習指導要領は社会の変化に合わせて改定を繰り返してきたが、敗戦を機に日本の教育は右から左へ大きく舵を切った。国家主義的色合いが強かった戦前戦中の反省から、アメリカに倣った教育委員会制度を導入し、教育の地方分権、政治的中立性を求めた。
 現在の教育委員会は、予算の決定と教育委員の任命以外は首長から独立した地方教育行政の意思決定機関。委員の本業も寺の住職や元警察官などさまざまで、月1回の会議では事務局案を追認するというのが実態。あたりまえ、教育(行政)の素人が多い教育委員会は専門職の事務局とそのトップの教育長の考えに流れがち。とくに政令市や都道府県のような巨大組織になれば、人事に絡む〝ことなかれ〟の闇が問題視されてきた。
 今回の改革では、教育長と教育委員長の一本化など責任体制の明確化とともに、教科書採択や人事の権限を持つ教育委員会はなんとか残った。首長も加わる総合教育会議で何がどこまで話し合われるのか、それぞれのまちの人の声が反映された独自の教育が進むことを期待したいが…。  (静)

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