梅の機能性で地域の振興へ

 「梅に含まれている成分が女性の不妊治療に効果がある」。先日、県立医科大学の宇都宮洋才准教授や和歌山高専の奥野祥治准教授らの研究グループが研究結果を発表した。晩婚化に伴い、不妊症は6~7組に1組の割合ともいわれ、子どもが授かりたくても授かれないと悩む女性にとっては朗報だ。
 発表によると、対外受精や顕微授精などで妊娠しなかった難治性の不妊患者が脱塩濃縮梅酢を摂取すると、妊娠の成功率がアップしたという。女性は加齢とともに卵子の数が減少し、質も低下するが、梅に含まれる「3、4―DHBA」が好影響を与えたということも突き止めた。自然食品である梅が妊娠に効果があるというのは画期的な研究成果といえるだろう。
 梅は昔から制菌、解毒、整腸などの効果があると言われてきた。みなべ町は平成13年度から梅の機能性に着眼し、県立医科大学等の研究グループと梅の医学的な効能について研究を開始。これまでにも胃がんの原因といわれるピロリ菌の運動抑制、糖尿病予防などにも効果があると証明された。ダイエットやインフルエンザ予防にも効果があるといわれている。他にも町内の梅加工業者らの研究で、鶏や養殖のマダイに脱塩濃縮梅酢を与えることで肉質が向上し、味もおいしくなることが判明。飼料として実用化されている。
 近年は梅の消費低迷で農家の経営が苦しくなっている。しかし、こうした梅の機能性が広くPRされ、認知されることで、単なるご飯のお供というだけでなく健康食品としての消費拡大につながる。健康だけでなく、地域振興につながる特効薬にもなってくれることを期待したい。     (雄)

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