ウナギ捕りが〝絶滅〟の危機

 ウナギの稚魚、シラスウナギの漁獲量が減少傾向にある。国内の漁獲量は、昭和30年代には年間200㌧を超えていたが、昭和60年代に入ってからは20㌧前後で推移。さらに数年前からは激減し、昨年は過去最少となる5・2㌧にまで落ち込んだ。昭和30年代と比較すると約40分の1になったという。ウナギの生息環境が悪化、乱獲が続いていることが影響しているようだ。
 小さな頃から、近くの川でウナギ捕りをした思い出がある。ウナギの捕まえ方はいろいろある。初夏から秋頃にかけては夜に釣りに行くのが一般的だが、川が増水で濁った場合にも釣れる。他にも、ウナギが棲んでいそうな場所に竹の棒で釣り針の付いたエサを送り込む穴釣りなどの漁法もあるし、1度入ったら出ることができない仕組みになっている竹で編んだモドリの付いた竹筒を一晩仕掛けておいても捕まえることができる。そのどれも手軽で、子どもの頃はとても楽しく夢中になった。竹筒を仕掛けた日の夜は、仕掛けを上げる翌朝が待ち遠しくて、なかなか寝つかれなかった。
 筆者が川で遊んだのは昭和50年代ごろ。さらに過去にさかのぼると、昭和20年から30年ごろはもっとウナギが多かったという。父親らの話によると、一日にウナギが10匹以上捕れることは珍しくなかったそうだ。
 やはり、年々個体数が少なくなっているのは間違いなく、このまま進めばウナギは幻の魚になってしまうかもしれない。仮にそういう日が来れば、手軽だったウナギ捕りもできなくなる。ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されたが、ウナギ捕りという川遊び自体がみられなくなってしまうという危機に瀕しているのかもしれないと思うと、寂しい。   (雄)

関連記事

フォトニュース

  1. ながらはアカンよ

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る