「全力で、ひた向きに、気高く」
- 2014/6/6
- 日高春秋
サッカーワールドカップブラジル大会の開幕が間近に迫っているが、今月5日、オランダ・ハーグでもう一つのワールドカップが始まった。60歳以上の選手が出場するグランドマスターズ・ホッケーワールドカップだ この大会に日本チームの一員として出場する妹背修治さん(美浜町)は、昨年9月からことし1月まで本紙で「GMホッケー選手の海外遠征記」と題する体験記を連載。その原稿を前半、書き下ろしのホッケー論を後半に収録する著書がこのほど発行された。後半はプレーの質を高める実践的な方法が書かれているが、高齢者のためのスポーツ論、また日本文化論、世代論としての一面もあり面白く読んだ 幼少時から野球に親しんできた世代としては、プレー中は全員休まず攻守に駆け回るホッケーはいささか勝手が違い、ボールの行方を見守る傍観者になってしまいがち。その結果、状況に応じて自分がボールの受け手になろうと積極的かつ臨機応変に動くことができず、簡単なパスもなかなか通らない。基本的なパスの受け渡しがスムーズにできればプレーもずっと楽に、楽しくなるのに。実戦経験を積むと同時に意識から変えていく必要がある、と ホッケーは前半後半各35分走り回る過酷なスポーツ。その世界大会に自ら挑戦し全力で楽しんでいる、そんな熱さが伝わる。年を重ねるとは新たな自分と出会うことでもあると思うと、読んでいるこちらも勇気が出る。「そうやってもなお、世界の壁は厚く、高くそびえ立っている。だからこそ、全力で、ひた向きに、気高く挑戦する価値がある」(本文より) 関心のある方に進呈したい、とのことで数冊本社でお預かりしている。まだ若干数あるので、ご希望の方はご連絡ください。 (里)