政策論で熱き戦いを

 田舎の議員も首長も、選挙では政策に大きな違いがなければ、有権者は候補者の人柄をみる。人柄とは性格や日々の仕事ぶり、趣味嗜好、自治会活動への貢献などが総合的に判断され、親兄弟、親類にどういう人がいるのか、その人はどんな人なのかということまでが話題となる。
 出陣式に始まり、陣営、初陣、参謀、采配、天王山など、選挙報道では戦国時代劇のような言葉をよく耳にする。新聞社も力が入れば、夏場の選挙に「夏の陣」、冬場なら「冬の陣」と勇ましい見出しをつけるが、暑くも寒くもなく、過ごしやすいいまの時期はさしずめ「日高町 新緑の陣」。これではちょっとさわやかすぎて士気が上がらないか。とにかく、選挙への関心を高めるため日本人の感覚に合う戦国の戦にたとえる。
 もちろん、候補者と家族、後援会は天下分け目の気分なのだろうが、一般の有権者にとって選挙は戦いでもなんでもない。人のうわさ話だけでなく、肝心の政策論が聞こえて初めて、だれかに投票しようという気にもなる。しかし、実際は争点のない選挙ほどいやなうわさばかりが聞こえ、いらぬ対立、混乱を招くこともある。
 個人の人気投票のような選挙に勝ち、はりきって独自の政策を打ち出しても、部下が全員いうことをきくとは限らず、選挙のしこりから議会の賛同を得られないこともある。議案の修正、否決もある意味、議会の活性化ともいえるが、大河ドラマが好きな日本人は出る杭を打つのも大好き。田舎の小さな城の主は、政策よりも人柄が重視される。
 日高町首長選は前町議同士の一騎打ちとなった。争点の見えないなか、両候補はまちづくりのビジョン、政策を具体的に、分かりやすく示してもらいたい。   (静)

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