福沢諭吉の嘆きを思い出す

 中韓で相次ぐ戦後補償をめぐる裁判。今度は中国で、いまから78年前、日本の海運会社に船を貸し出した船舶会社の親族が未払いの賃貸料を求めて上海の裁判所に訴えた裁判に絡み、日本の海運企業の貨物船が差し押さえられた。
 戦後補償の請求権は、中国とは日中国交正常化、韓国とは日韓請求権協定でともに解決済みであり、韓国の元戦時徴用者への賠償請求に続き、外交的にも法律的にも考えられない。アジアの隣人ながら、日本人とは精神的な隔たりの大きさを痛感させられるニュースばかり。福沢諭吉の嘆きを思い出す。
 和歌山県は先日、那智勝浦町の空き家の所有者に対し、条例に基づく撤去、または改修の勧告を行った。空き家が周辺との環境に著しく支障をきたしているとし、審議会の答申も受け、仁坂知事は条例施行後初の勧告に踏み切った。この対応は、朝鮮半島の近代国家としての成長を願う福沢諭吉の論に通じる。
 福沢は、列強が東洋を蚕食するありさまを火災にたとえ、「日本という家を守るには、日本の家だけを石造りにして済む話ではない。近くに粗末な木造家屋があれば、類焼は免れないからだ」とし、互いの安全のため、隣の家を強制的にでも強くする必要があると訴えた。
 日清戦争に勝利した日本は下関条約の第一条で朝鮮国の独立を求めた。賠償金や領土よりも優先して、属国視されていた朝鮮国の完全かつ永遠なる独立、自主を認めることを求めた。その後の台湾統治、日韓併合もしかり、当時の日本はその国の言語、文化を尊重し、自国から巨額の資金を持ち出し、互いに手を取り合って近代化を進めた。
 反日を強める韓国と中国。130年前の福沢の脱亜の主張がいまもそのままに聞こえるのが情けない。 (静)

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