県の養鶏研究所などが梅調味廃液使った堆肥開発

 日高川町船津の県畜産試験場養鶏研究所など県の農業関係の4施設は、悪臭などで処理が課題となっていた鶏ふんと産業廃棄物の梅調味廃液を利用して堆肥を開発。「ふっかふか」の商品名で間もなく販売を開始する。製造過程で、悪臭のもととなるアンモニアの揮散量が5~7割低減することを実証。完成した堆肥は土壌改良効果もあり、環境に優しい循環型農業のモデルケースとして期待が高まっている。
 県内で出る鶏ふんの量は、ブロイラー(食肉用)で年間1・4万㌧。化学肥料の普及とともに堆肥の需要が減っており、鶏ふんの利用促進が畜産農家の抱える課題となっている。一方、梅干しの製造過程で出る梅調味廃液は県内で年間1万8千㌧。うち1万㌧が産業廃棄物として処分されている。
 今回堆肥を開発したのは、同養鶏研究所のほか紀の川市の県農業試験場、みなべ町の県果樹試験場うめ研究所、すさみ町の県畜産試験場。鶏ふんに梅調味廃液を噴霧し、発酵させてつくる。梅調味廃液に含まれるクエン酸が鶏ふんに含まれるアンモニアを中和してにおいを抑える効果に着目し、平成22年度から基礎実験を進めてきた。昨年度からは養鶏研究所とうめ研究所が実用化を目指し、JAみなべいなみの梅加工場で出た梅調味廃液、養鶏業者や梅干し業者らでつくる「紀州うめどり・うめたまご協議会」の鶏ふんを使って堆肥の開発に取り組んできた。完成した堆肥は、梅や葉物野菜に適している。販売はアグリセンターみなべ(旧JAみなべいなみ本所)で行い、1袋(40㍑)300円程度。
 県畜産試験場養鶏研究所では、「使える資源は循環させることが必要。農業と畜産が連携していかなければならない。全国的にも養鶏農家は鶏ふんの処理に困っており、商品化によって広く知ってもらうことで循環型農業の一つのモデルとなれば」と話している。

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