配慮があだになった鳥獣捕獲詐欺

 日高川町で有害鳥獣捕獲報奨金の詐欺事件が起こった。事件は同町の財団法人ふるさと振興公社の元嘱託職員が虚偽の書類申請で町から10万5000円をだまし取ったという内容。容疑は7件だが、県警の捜査で「100件以上はやった」と供述している。
 事件の舞台となったのは、捕獲したイノシシやシカなどを食肉用に解体処理などする施設「ジビエ工房紀州」。元嘱託職員はこの施設に平日午前8時半から午後5時半まで常勤していたが、事件の要因はこの施設が昨年3月まで報奨金手続きの窓口になっていたことも一つ。もともと、捕獲者が申請しやすいようにと配慮し窓口にしたのだが、これがあだとなったようだ。窓口を役場の担当課だけにしておけば、供述の〝100件以上〟は少なくなっていたはず。施設は平成22年5月に開設して以来、有害鳥獣対策の先進的な取り組みとして、全国各地から視察に訪れるなど注目を集めていただけに、残念でならない。
 事件を重く受け止めた日高川町の議会は百条委員会を設置した。町には調査権はないが、百条委員会は関係者の出頭や証言、記録の提出など請求でき、正当な理由なく関係者が出頭、証言、記録の提出を拒否した場合、検察庁に告発し、禁固や罰金などに処すことができるなど強い権限をもつ。他の人の関与も含めて、事件の全容解明に迫る方針だ。警察でさえ証拠などで立件できたのは7件の容疑。元嘱託職員の記憶もあいまいであろうし、しっぽや個体などは残っていない。警察でも立件が難しかったことで調査は困難を極めるだろうか、ジビエ工房での手口を含めてどの程度全容解明をできるのか、注目していきたい。(昌)

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