日高町でダイバーがアワビの稚貝放流

 日高町方杭、町営温泉館前の波止場付近で8日、スキューバダイビングのダイバーによる「復活 クロアワビ放流大作戦」が行われた。京阪神方面から来た20代から50代までのダイバー54人がボランティアで参加し、約2000個の稚貝を天敵の被害を受けにくいとされる手づけ放流。町内沿岸のクロアワビ水揚げ量は最盛期の10分の1以下という厳しい現状の中、水産資源保護に一役買った。
 主催は、町営温泉館でスキューバダイビング事業を展開する日高ダイビングセンターと比井崎漁協で組織する日高ダイビング協会。参加者は町営温泉館で海南市、県立自然博物館の吉田誠館長からアワビについて説明を受けたあと波止場に向かい、順番に入水。海の中で網に入れた稚貝を受け取り、2人1組になって放流を行った。
 放流事業は10年以上前から比井崎漁協が船から放流する方法で行っているが、磯に定着するまでに天敵のタコに食べられるなどの被害を受けているとみられ、なかなか効果が上がっていない。手づけ放流は稚貝を一つ一つ岩にはり付けたり岩と岩の間に放していくためこれまでより放流効果が期待できると考えられ、潜水技術を持つダイバーの力を借りて初めて取り組んだ。
 稚貝は4㌢程度の大きさ。水深2~3㍍に放流した。日高ダイビングセンターなどによると、成長が早ければ3、4年で採取できる9・5㌢以上になる見通し。放流した貝は殻の色の違いで自然のクロアワビと区別がつくといい、今後ダイバーによる放流活動は3年から5年継続させたうえ、成長スピードなどの追跡調査も行っていく方針にしている。
 京都市から来たというダイビングインストラクターの上田紗綾さん(36)と会社員則永聖子さん(33)は「めったにできない体験なので参加しました。10年後に潜って、どれだけ成長しているのか見てみたい」と稚貝を手に張り切っていた。
 クロアワビは高級食材として知られ、浜値で1㌔8000円ほどの価格がつく。比井崎漁協の平成25年度水揚げ量は641㌔。乱獲や磯やけなどが原因で、最盛期の10分の1以下となっている。

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