民間災害ボランティア団体、紀州梅の郷救助隊(尾崎剛通隊長)は17日、神戸市で開かれた「阪神淡路大震災1・17のつどい」にことしも参加した。隊員ら22人が被災地を訪れ、竹筒の灯ろうに灯をともして犠牲者の冥福を祈った。尾崎隊長は「発生が予想されている南海トラフ大地震に、阪神の教訓を生かしていく必要がある」とあらためて防災意識の高揚へ決意を新たにしていた。
ことしで9回目の参加。到着後に茶がゆの炊き出しを始めた。地震発生時の午前5時46分には黙とうも行い、災害で亡くなった6434人の冥福を祈った。竹筒の中に浮かべたろうそくにも灯をともした。会場ではスタッフとして活動し、朝と夕方の2回、茶がゆ約1500食分を振る舞った。茶がゆは、このイベントで交流が深まった人たちから提供のあった滋賀県の米、三重県桑名の銘水「多度の滴」、上富田の「七福神の水」を使って炊き上げ、「集いの茶がゆ」と名前を付けた。南部梅林、岩代大梅林のチラシも配布。チラシの一部には当たりの印を書き込んでおり、当たった来場者には救助隊のシールを張った梅干しのパックをプレゼントした。そのほかつぼみをつけた梅の枝、日高川町の農家から善意で届けられたミカンも配った。尾崎隊長は「イベントを通じて人とのつながりができた。阪神大震災の犠牲を無駄にすることなく、発生が予想されている南海トラフの巨大地震に対応することが大切」と話していた。
阪神淡路大震災は平成7年1月17日に発生。震度7の揺れを観測し、マグニチュードは7・3を記録した。兵庫県を中心に被災し、死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人が出た。