アントレプレナー 農総研の及川CEOがファイナリストに

 日本の起業家を世界へ送り出す表彰制度「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2013」のチャレンジング・スピリット部門で、美浜町和田に住む㈱農業総合研究所(本社・和歌山市黒田)の代表取締役CEO及川智正氏(39)がファイナリストに選ばれた。持続可能なビジネスとして魅力ある「農産業」の確立を目指し、全国ネットの農産物委託販売システム事業などを展開。県内企業では初のファイナリストとなった。
 EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーは起業家の功績をたたえる国際的な表彰制度で、日本では平成13年から始まり、現在、世界の約60カ国、145の都市で魅力的な創業者、経営者が表彰されている。海外ではこれまで、スターバックス・コーヒー、アマゾン・ドットコム、グーグルなど世界的に知られる企業の創業者らが受賞している。
 ことしで創業7年目となる農業総合研究所の及川氏は、主催団体関西事務局の推薦を受け、京大発の電気自動車の開発・販売で知られるグリーンロードモータース㈱(本社・京都市)とともに関西地区代表に選ばれ、全国大会に進出。スタートアップ段階の起業家が対象の「チャレンジング・スピリット」部門は12人がセミファイナリストとなり、事業の創造性や革新性、成長性、国際性などの審査基準から、及川氏は惜しくも大賞には選ばれなかったものの、和歌山県から初のファイナリスト(4人)に選出された。
 及川氏は東京出身で、東京農業大農学部農業経済学科を卒業し、6年間勤めた会社を退職後、「日本の農業の仕組みを変えたい」と、美浜町の妻の実家で3年半、農業に従事。その後、大阪の千里中央で1年間、八百屋を経営し、平成19年10月に自己資金50万円で農業総合研究所を設立した。
 現在の事業の柱となっている農産物委託販売システムは、和歌山、大阪、長野、千葉など全国30の集荷拠点を置き、約3000人の登録農家が持ち寄る農産物を大丸、阪急、イオンなど都会の百貨店やスーパー店内にある「都会の直売所」で委託販売。農家は好きな作物を作り、出荷する作物の価格を自由に設定、販売先も選ぶことが可能で、ネット販売含め、ワンストップで多様な流通を選択でき、収入アップにつながる。消費者は鮮度のよい完熟商品を安く選んで買うことができ、生産者と消費者双方にメリットのある流通として注目されている。
 ほかにも、農業参入企業、農産物直売所などへのコンサルティング、農園プロデュースなど幅広く事業を展開しており、東京ではフジテレビ前にある人気の商業施設「ダイバーシティ東京」の屋上を畑にした貸し農園「お台場 都会の農園」のプロデュースも手がけている。
 及川氏は今回のアントレプレナー・オブ・ザ・イヤーファイナリスト選出に、「和歌山の会社でも東京の企業と、農業でもITの企業とベンチャーで勝負できることが分かりました。日本の農業を変えるという夢はまだまだスタート地点にも立っていませんが、人の心と胃袋を満たし、ビジネスとして成り立つ農産業の確立へ、情熱を持って頑張っていきたいです」と話している。

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