信頼というおもてなし

 秋らしさはあまり感じないが、朝晩の冷え込みに冬の訪れが肌で感じられるようになってきた。富山県以西の日本海ではズワイガニ漁が解禁され、これから冬の食材が食卓をにぎわせてくる。筆者は食通の方のような鋭い味覚を持っていないことが幸いしてか、高級な食材にこだわらず、たいがいおいしくいただいている。とくに家庭料理は温かみがあり、子どもたちと一緒に作った料理をみんなで食べるときほどおいしいものはない。料理とは、おいしく食べてほしいと思う作り手の温かい気持ちがこもってこそ値打ちがある。
 そういう意味では、いまニュースをにぎわせている食材の偽装表示にはあきれてしまう。命に関わるものではないが、食材を偽って客に提供していることを知って料理していたのなら、料理人を語る資格はないだろう。経営側は誤表示などと言い張っているが、消費者には醜いいいわけにしか聞こえない。偽装だろうが誤表示だろうが、結果的に消費者を裏切った罪は重い。いくら返金しても落とした信頼を回復するのは簡単ではない。
 近年、食の安全・安心という言葉が盛んに叫ばれている。安全・安心とは信頼であり、誠心誠意料理を提供している店は必ず受け入れられる。やましいことをする店は、遅かれ早かれ今回の報道のような結果になるということ。それが正直者がバカをみないまっとうな世の中である。
 2年後にはわかやま国体が開催され、日高地方にも多くの選手、応援団がやってくる。今回を教訓に、信頼を落とすようなことなく、おもてなしの心で受け入れることが求められる。大会を成功に導くには県民一人一人のモラルが大切だ。 (片)

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