農村部にも自主防を

 巨大地震対策では津波の被害が大きくクローズアップされているが、当然ながらそれ以外にもさまざまな被害が想定されている。例えば揺れに伴う家屋の倒壊、火災、崩土、土地の液状化など。細かいところで言えば屋根瓦の落下や割れたガラスでの負傷などがあり、細かいと言えども実はこのあたりが一番負傷者が多く出る被害だという。
 そんな中、御坊市では来年度から平成28年度までの3カ年計画で農業用ため池の堤体が地震の揺れで決壊した場合の周辺地域のハザードマップを作成する。東日本大震災や過去の大規模地震でも堤体が決壊して周辺民家が浸水する被害が出ているらしく、国も平成24年度から補助制度を創設して推進している。ため池の危険性については、以前から知っている人もいるだろうが、恥ずかしながら筆者的には記事で取り上げたことがなくなじみが薄い。それにため池被害を想定して訓練をしているような地区も少ないのではないだろうか。
 しかし、ため池についても津波などと同じように今後の地震対策の大きな課題の一つになるだろう。これまで危険なのは津波が襲来する海岸線という印象が強かったが、なるほど聞いてみれば何万㌧もの水があるようなため池が決壊した場合も危険であり、高台だと安心していた農村部もうかうかしていられない。むやみやたらに不安を抱くのはよくないが、やはり正しい知識を持って事前に訓練をしておくべきだろう。御坊市内では海岸線以外の地区で自主防災組織が発足していないところもあるが、今回のため池用ハザードマップの完成を機に農村部でも組織化が進み、一層住民の危機意識が高まることを期待している。     (吉)

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