柔軟な考えで伝統継承

 日高地方の秋祭りもいよいよ最終盤。筆者の地元の祭りは絶好の天候に恵まれた10月の3連休中日の13日にあり、例年通り大いに盛り上がった。
 地元の祭礼はすでに特集号で紹介させてもらった。例年と少し違ったところというと、宵宮の余興の最後に大人の女性が参加したこと。普段なら大人の男性が中心になってだんじり同士を勇壮に競り合わせるのが見どころだが、この時は女性がだんじりを引いたり担いだりした。参加した女性たちの顔には笑顔が見られ、見物人たちも楽しんでいた。
 ことしから日高町阿尾、白鬚神社の秋の祭礼クエ祭で、一番の見せ場の「クエ押し」が廃止になるなどのニュースもあった。クエ祭は江戸時代から数百年続く伝統行事。その中のクエ押しはクエがくくりつけられた丸太を男性が荒々しく奪い合い、勇壮さが売り物だった。少子高齢化が急激に進む中、参加する若衆が少なくなり、限界に達したようだ。こちらは女性が男性に混じって参加するというのは難しそうだが、何とか新たな方法を探して近いうちに復活してほしいと願う。
 地元の祭りでは、小中学生の女の子が太鼓などで参加できるようになって一時の人手不足を脱した。祭りに参加した女の子たちは、大人になって子どもを産んで、また子どもを連れて参加してくれたりする。そんな好循環も出てきている。
 昔なら「女性がだんじりを担ぐなんて…」と歓迎されなかっただろうが、いまはそんな時代ではない。女性が幟差しを担当したなどと紙面でも紹介されている。伝統行事を残していくには前例やしきたりに少しぐらいは目をつぶり、柔軟な考えで対応していくことが必要だろう。 (賀)

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