報道が悪ふざけの連鎖を生む

 コンビニのアルバイトがアイスのショーケースに入ったり、ステーキ店の店員が店の冷蔵庫に入ったり、若者がSNSに公開する悪ふざけが話題となっている。友達のウケを狙ってバカなことをし、それを見た友達も「オレもいっちょ…」とさらにエスカレートしたおバカぶりを発揮。まさに「バカの連鎖」のこの状況、飽きもせずけっこう長く続いている。
 これらの悪ふざけで迷惑しているのは店側で、コンビニや飲食店は本人の顔から店が特定され、休業、閉店、なかにはフランチャイズ契約解除にまで至ったケースがあるという。たしかに、店員がケースの中に入ったアイスは買う気がしないし、冷凍庫に入った肉は食べる気がしないが、商品を入れ替えて消毒すれば済む話であって、休業、閉店までしなければならないほどのことか。一連のニュースを見ていると、企業や店側の過剰な反応に首をかしげてしまう。
 責められるべきは第一に当の若者だが、「今度は○○です」とのコメントでCMをまたぎ、模倣犯続出の悪ふざけを取り上げるテレビの「模倣報道」も反省すべき点は大きい。一時はやった荒れる成人式、街中の落書きも、当時はテレビや新聞がいまのSNSがわりだったわけで、気分の悪い、酒を飲んで警官ともめるニュース映像が無能な若者に「輝くステージ」を提供していたことを思い返さねばならない。
 政治、文化、スポーツ、事件事故…世の中にはいろんなニュースがあり、報道する側はそれぞれの素材に合わせた加工の仕方がある。人を傷つけたり、毒物を混入したわけでもない今回のような「いちびり」をいちいち大きく扱うことが、被害者側の対応を含め、社会を歪める一因になっていないだろうか。  (静)

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