御坊の湯川氏館跡 全容解明へあと一歩

 御坊市教員委員会は28日、ことし6月から湯川中学校敷地内で進めていた小松原Ⅱ遺跡・湯川氏館跡の第1期埋蔵文化財発掘調査の結果を発表した。それによると、同遺跡では弥生・室町時代の竪穴建物や井戸などが見つかり、集落が広がっていたことを推察。同館跡では南東部の構造の一部が明らかになり、大規模な建物の全容解明へあと一歩となった。現地説明会は、31日午後1時半から開かれる。
 埋蔵文化財発掘調査は湯川中学校改築事業の一環として、同校敷地内の新校舎・体育館建設予定地4000平方㍍で行っており、1期が6月から8月、2期が9月から12月までで完了となる。1期分は1400平方㍍が対象で、調査は県文化財センターが委託を受けて実施。小松原Ⅱ遺跡では、弥生時代中期の竪穴建物5棟、溝1条、土坑2基、室町時代の堀2条、溝1条、井戸5基などが見つかった。これまでも紀央館の建設や道路工事などで周辺の調査を行った経緯があり、かねて集落があったことは推察されていたが、今回の調査でさらに集落が広がっていることが確認できた。
 一方、同遺跡から時代が流れて室町時代に建設された豪族・湯川氏館跡では、南東部の一部の構造が明らかになった。同館の規模は過去の調査から南北200㍍、東西200㍍と推察されているが、南東部の調査がまだ行われていなかったため、はっきりしていなかった。続く2期工事では残りの全ての部分の調査を行う予定で、教委は「大規模な湯川氏館の構造の全容解明につながる」と期待している。このほか、館跡からは多量の土器類、瓦、扇、横杵などの木製品、刀装具などが発掘され、館内での生活の様子をうかがわせる史料となっている。現地説明会の周辺には駐車場がないため、公共交通機関などの利用を呼びかけている。

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