みなべ町山内の千里の浜で、今季のアカウミガメの上陸・産卵がほぼ終了。日本ウミガメ協議会やみなべウミガメ研究班の22日現在のまとめによると上陸が547回、産卵は265回だった。比較的順調に推移し、昭和56年の調査開始以来過去3番目に多かった昨年(上陸728回、産卵293回)より下回ったが、産卵回数では過去6番目となった。
千里の浜は本州有数のウミガメの産卵地。ことしは序盤から順調で、5月14日に初めて上陸と産卵を確認し、前半は昨年と同程度のペース。一日35回の上陸も確認され、関係者らによると「近年、一日の上陸回数がこんなに多かったのは記憶にない」という。ピークは7月上旬から同月中旬ごろとなったが、後半はあまり伸びず、昨年と比較して上陸で181回、産卵で28回下回った。
みなべウミガメ協議会が昭和56年から行っている産卵回数の調査によると、ことしの265回は過去6番目。平成3年が最も多く348回、2番目が2年の328回。このあと、昨年の293回、22年の274回、20年の269回と続いている。7月末ごろからは生みつけられた卵のふ化も始まっており、9月末ごろまで続くという。ウミガメ協議会は「ことしは台風の接近がなく巣穴の流失はないが、雨が少なく日照り続き。砂の中の温度が上がり過ぎると卵が熱死してしまうこともある」と心配している。