漁港区域指定が津波対策の壁に

 市内塩屋町の王子川河口付近はかねて塩屋漁港(旧北塩屋漁港)の漁港区域指定を受けたままになっているが、今後の巨大地震に伴う津波対策のネックになることが分かった。同区域内には国道42号沿いの防潮堤(延長240㍍)が含まれるが、漁港区域内では目的外の津波対策用に防潮堤のかさ上げなどの事業ができない。事業をするためには海岸保全区域に変更すれば問題ない話だが、変更後の区域管理などの課題もある。
 漁港区域になっているのは、王子川の河口から北浜の一部や国道42号とその東側の一部地域を含む面積4万平方㍍。もともとシラスの地引き網漁が盛んに行われていたが、すぐ沖合いに日高港が建設され、平成16年から暫定供用したことで漁は中止。塩屋漁港としても廃止されたが、県の漁港区域指定だけが残った状態になっている。市と県では20年ごろから区域変更を協議してきたが、差し当たって不都合なこともないため、そのままになっていた。
 しかし、南海トラフの巨大地震などの新想定を受けて、去る19日の市議会一般質問では中野武一議員が塩屋、名田海岸線の津波対策を訴え、柏木征夫市長も「対策の方針をまとめて県、国に要望したい」と意欲をみせるなど、塩屋、名田地区での津波対策がクローズアップされている。その中で塩屋の国道42号沿いにある高さ3㍍の防潮堤のかさ上げなどが対策として挙げられているが、漁港区域では、漁業に関わること以外の事業ができないことになっているため、防潮堤などの津波対策用の事業はできない。さらに漁港として廃止され利用の実績もないことから、なおさら漁港区域のままでは何の事業もできない状態になっている。こういったことから市は先月下旬に県に再び区域変更の話を持ちかけ、協議を再開。ただ、長年にわたり宙に浮いた話で、県の担当者も異動で変わっているため一からのスタート。いまのところ市が県にこれまでの経緯を説明しただけにとどまっている。市農林水産課では「区域変更したからといって莫大な費用がかかる津波対策がすぐにできるわけではないが、今年度中には話をつけたい。現行で漁港区域は市の管理だが、今後の事業実施の予算面などを考え、県が管理してくれればありがたいのだが…」と話している。

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