御坊で津波防災講演会
- 2013/5/11
- 社会
御坊、 美浜、 日高、 日高川の4市町の官民がスクラムを組む津波防災研究会 (谷口邦弘会長) の講演会が9日に御坊商工会館で開かれ、 会員や一般の住民ら300人が参加。 講師に和高専環境都市工学科の小池信昭准教授を迎えて 「南海トラフの巨大地震・津波の新想定と津波からの避難対策」 をテーマに聴いた。
小池准教授は東日本大震災で小中学生の犠牲者がほとんど出なかった岩手県の 「釜石の奇跡」 やその立役者である群馬大学の片田敏孝教授の防災授業の様子をビデオ映像で紹介しながら、 「釜石の奇跡は、 三陸地方に伝わる 『津波てんでんこ』 の教えを守ったから起きた。 地震発生のときに家族であっても、 別々の場所にいるならそれぞれがてんでばらばらに避難して、 『自分の命は自分で守る』 ということである」 と説明した。 さらに 「基本的には津波てんでんこが大切だが、 自分の命だけ助かればいいのか。 みんなの命を守るためにはどうすればいいのか」 と疑問を投げかけ 「みんなの命を守るためにはいまできる準備をしておくことが大切。 例えば地域住民でオリジナルの防災マップを作って防災意識の向上に役立てる。 また、 避難訓練も昼間、 夜間、 登下校など時間帯を変えることが必要。 道路を色分けした 『逃げ地図』 も作ると、 安全で最短の避難ルートを再発見できたりもする」 と紹介。 最後に 「避難の際、 車の渋滞が予想されるので、 歩ける人は歩く方が早い。 ただ、 動けない人は積極的に車で避難。 あらかじめ渋滞しないためのルート整備も必要」 などと指摘した。 参加者たちは防災教育の重要性について再認識していた。