破れない靴下におもうこと

 靴下が破れにくくなったと思ったことはないでしょうか。もちろんその生産地や商品にもよるのだが、以前より指の先に穴が開いて捨てる機会が確実に減った。おしゃれな人は別にして、自分自身は目に見えないところまで気を回すほどの柄でもなく、はけなくなるまで何足かでローテーションを守り続けている。中4、5日ぐらいで、何年も使えているような気がする。
 靴下等の製造販売会社に勤務する、いとこがいる。先日、一緒に酒を飲みながら前出の話で盛り上がった。
 靴下を国内だけで売ると仮定した場合、購入する人の数は決まっている。限られた数の中で、同業者と売り上げを競い合う。「破れない」、品質のいい商品を製造すればするほど購入のサイクルが下がり、売り上げも右肩下がり。大量生産、大量消費の発展途上国ならいいが、日本は成熟した社会であり、さらに「もったいないの文化」もある。それでも破れない商品の製造を追求する。商品がよくなれば、商品が売れにくい。何ともいえないジレンマと戦うのだ。
 車や電化製品も同じジレンマを抱える。壊れにくい製品を製造すればするほど買い替えのサイクルが長期になり、自らの売り上げに影響を及ぼす。近年の液晶テレビをみても分かると思う。普及すれば市場は急速に縮む。だが、どこかの国のように「もの」が悪かろうがお構いなし、安ければいいと自らの利益に固執する方が近い将来に行き詰まるのではないだろうか。まず消費者のためにと頑張る日本企業の方が頼もしく、大手電機メーカーをはじめ日本の製造業は大ピンチとの報道があとを絶たない状況でも、ジレンマの先に必ず復活があると期待を持っている。   (賀)

関連記事

フォトニュース

  1. モチーフはヤタガラス

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 出撃直前、さくら弾機が炎上 極秘扱いで「知られざる特攻機」とも呼ばれたさくら弾機は、直径1・6㍍、…
  2. 飛行機乗りが夢だった 1944年(昭和19)6月、日本はマリアナ沖海戦に敗れてサイパンが陥落し、絶…
  3. 激戦のフィリピンで6年 日米開戦直後の1941年(昭和16)12月22日、日本は米軍の支配下にあっ…
  4. 空襲に怯え、悲痛な思い 大戦末期、空襲に怯え、悲痛な思いをした御坊市島の竹田(旧姓=山﨑)玉枝さん…
  5. 根室空襲、艦載機が猛爆 大東亜戦争末期、制海権を失った日本は北海道まで米軍に押し込まれ、1945年…

Twitter

書籍レビュー

  1.  還暦を過ぎても精力的に新作を発表し続ける東野圭吾。木村拓哉と長澤まさみ主演で映画化もされた人気シリ…
  2.  1945年8月15日正午、天皇陛下がラジオで国民に向けて終戦の詔書を読み上げ、国民はこのいわゆる玉…
  3.  テレビで見ない日はないぐらい、ニュースを視聴者に分かりやすく解説してくれるジャーナリスト池上彰氏。…
  4.  元アニメーターで江戸川乱歩賞作家、真保裕一の「行こう!」シリーズ最新作。今年5月に文庫化されました…
  5.  今回紹介するのは2005年に発行された推理小説家石持浅海の「君の望む死に方」。前作の「扉は閉ざされ…
ページ上部へ戻る