清姫物語教訓に平穏無事な1年に
- 2013/1/10
- 日高春秋
巳年にちなみ、蛇の化身となった清姫伝説の舞台で知られる道成寺で7日、初詣イベント「巳年恵方ジャンジャカ踊り特別公演」が始まった。ジャンジャカ踊りは会式最大の呼び物。張り子の大蛇が安珍清姫物語を再現して新春を祝う。初日の取材は同僚記者に頼んだが、多くの初詣客でにぎわい、大好評だったそうで、筆者も25日までの期間中見物に訪れるつもり。
日ごろの記事では機会がないので、今回物語を紹介。929年、熊野詣に来たイケメンの僧、安珍は清姫に一目ぼれされてしまう。熱い情熱を断りきれない安珍は、帰りに立ち寄ることを約束したが、参拝後そそくさとスルー。だまされたことを知った清姫は怒りのあまり大蛇に姿を変えて安珍を追いかけ、日高川を渡って道成寺へ。安珍が逃げ込んだ釣り鐘もろとも焼き尽くす。このメーンストーリーに後日談を含めて物語は歌舞伎や能など古典芸能で親しまれ、清姫の悲恋や女の情念の恐ろしさを伝えている。物語は、寺の参拝客に絵とき説法で紹介されており、「今の時代、ここまで女性に追いかけられほど、いい男がいるのでしょうか。男、頑張りましょう」「男女のことを鐘(金)で解決しようというのが間違い」などとても面白おかしい。
男女間の災いやお金のトラブル等なく無事に過ごしたいもの。ことしは巳年だけに、物語を教訓に平穏な日々になるよう努めるとともに、男性は女性に追いかけられるよう、女性はイケメン男性に振り向いてもらえるよう自分を磨き高める等向上心をもった1年にするのはどうだろう。蛇だけにお金がたまったり、財運もアップするかも知れない。ジャンジャカ踊り特別公演を見て幸せな巳年のスタートを切ってみては。 (昌)