防災対策を前進させる1年に

 新しい年の夜明けは、ことしも標高523㍍の真妻山山頂で迎えることができた。目覚まし代わりの携帯電話のアラームを止めたとき、ことしはもうやめて温かい布団の中で朝まで眠ろうかと誘惑に負けそうになったが、山頂から美しい御来光を拝んだときは、やっぱり登ってよかったと思える瞬間である。一年の計は元旦にありというが、振る舞われた雑煮を持つ手も震えるほどの寒さに、計画を立てる余裕もなかったのが正直なところ。個人的な計画はさておき、東日本大震災や台風12号水害など未曾有の災害の記憶が新しいなか、下山してまず思う、どうか平穏な年でありますようにと。
 昨年1年間の交通事故による国内の死者は4411人で、前年より201人減少し、60年ぶりに4500人を下回った。事故件数自体も減少傾向だが、それでも昨年は60年前の15倍以上となる66万件が発生していることを考えると、救急医療の充実や車の性能などが大きな要因といえる。とはいえ、ことしも始まってまだ1週間だというのに、大手新聞紙面では痛ましい交通事故の記事が連日報じられている。夢と希望を膨らませて新年を迎えただろうに、記事を読む手に力が入り、胸が締め付けられる。車のハンドルを握る限り、誰しも加害者にも被害者にもなりうる、あらためて肝に銘じたい。
 1年間の交通死者数よりも多い6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災から17日で18年になる。わずかな時間で命、生活、経済を破壊してしまう災害への対策は、ことしもどのまちでも大きなウエートを占めるだろう。100%の安全はないが、着実に前進する年となるよう、住民も自らが考え、行動しよう。(片)

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