平成17年春に十八代目襲名披露公演 「京鹿子娘道成寺」 の成功祈願で道成寺を訪れた、 歌舞伎役者で俳優の中村勘三郎さんが5日午前2時33分、 急性呼吸窮迫症候群のため東京都内の病院で死去した。 57歳。 歌舞伎演目 「道成寺もの」 でゆかりのある日高川町でも、 早すぎる死を悲しむ声が聞かれた。
道成寺や道成寺の釣り鐘がある京都妙満寺などで対面している玉置俊久日高川町長は、 「道成寺のしだれ桜の横で写真撮影したことなど思い出は尽きません。 道成寺の芝居小屋構想を話したときには、 『ぜひこけら落としをやらせて下さい』 と言っていただきました。 あまりにも早い旅立ちで悲しい気持ちでいっぱい。 ご冥福をお祈りします」 。
勘三郎さんは、 十七代目勘三郎の長男。 昭和34年に五代目勘九郎を襲名して初舞台。 平成17年に十八代目勘三郎を襲名。 活躍は歌舞伎だけに留まらず、 俳優としても人気を博した。 11年日本芸術院賞、 16年菊池寛賞、 20年に紫綬褒章を受賞。