はやぶさの圦本さん 母校で講演

 日高高校・付属中学校 (髙田晴美校長)、 同窓会 (津村尚志会長)、 保護者会双成会 (馬場博文会長) 主催の 「日高未来塾講演会」 は16日に開かれ、 同校OBで北海道大学教授、 小惑星探査機 「はやぶさ」 のプロジェクトに携わった圦本尚義さんの講演を聴いた。 高校・中学合わせて約950人の生徒と一般参加者が、 人類史上初めて地球重力圏外からの物質を持ち帰ったという画期的なプロジェクトの詳細に聞き入り、 宇宙のロマンに思いをはせていた。
  「はやぶさ」 は2003年に鹿児島県から打ち上げられ、 何度もアクシデントに見舞われながら7年かかって小惑星イトカワの微粒子を地球に届け、 燃え尽きた。 その貴重な微粒子を分析するのが圦本さんらの仕事で、 「そこからいよいよぼくらの出番です」 と分析の経緯を説明。 サンプルの微粒子を酸素同位体比などの方法ですべて詳細に分析すると、 地球上と同じ物質は一つとしてなく、 「人類史上初めて、 地球重力圏外の物質を持って帰ったことがここで証明されました」 と話した。
 イトカワは野口のとび山ぐらいの大きさ。 微粒子を調べると700度の温度で1000万年焼かれたことが分かるが、イトカワの大きさだとそんなに長く高温を保てず、100年ほどで冷えてしまう。そこから、大きな天体が何らかの要因で砕けた時の破片の一つがイトカワであると推測できる。また隕石の成分と比較し、地球上に落ちた隕石の8割がイトカワと同じタイプの小惑星から飛んできたことも分かった。圦本さんは「はやぶさが持ち帰ってくれたごく小さな微粒子から多くのことが分かる。太陽系形成の謎も分かってくるかもしれない」と話し、生徒らは身を乗り出して聞き入った。「各地の研究室に微粒子を運ぶにも、 飛行機では手荷物検査で引っかかった場合に開けられないので、 電車を使い北海道から九州まで一日がかりで運んだ。 朝と夜で違う季節を体験した」 など苦労話もユーモラスに披露した。
 現在、 「はやぶさ2」 のプロジェクトが進行中。 計画では2014年に打ち上げられ、 2020年に帰還する。 圦本さんは 「ぼくらのルーツを探るのがはやぶさ2の目的です。 46億年前、 地球ができた時に何が起こったのか解き明かしたい。 はやぶさ2が帰るのは8年後、 ちょうど皆さんの世代の研究者が活躍している頃ですね」 と熱を込めて語った。

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