絆深まるドッグスポーツ

 かつて犬を飼っていた。めったにほえない犬で、臆病者なのにドライブ好き。座るポーズは右足があぐら。十年以上家族の一員としてともに暮らし思い出は尽きないが、散歩したり遊んだりとオーソドックスな触れ合い方だった。
 アメリカで開催されたドッグスポーツ「USDAAアジリティワールドチャンピオンシップ」に、日高川町の江原輝之さんとジーナのペアが日本代表で出場した。アジリティーとは犬の障害物競走のようなスポーツで、犬と人間が調和をとりながら、コースに設置された障害をクリアしていく競技。江原さんとジーナは、固い絆で世界大会出場をつかみ、世界の強豪を相手にスヌーカー部門で11位に入賞した。江原さんの挑戦は7年前にアジリティーに取り組むペアを見たのがきっかけ。ボーダーコリーのジーナは、両親とも無名の血統ながら能力が卓越。深い絆は毎日の河川敷でのトレーニングで築き上げた。
 アジリティーは、トレーニングといっても厳しい訓練ではなく遊びの延長だという。犬を飼い主のもとへ呼び寄せるトレーニングでは、名前を呼ばれたらおやつがもらえるのではなく、飼い主と楽しい遊びが始まるということを記憶させていく。そのうち、犬は名前を呼ばれることが大好きになり、おやつなしでも飛んでくる。犬にとってトレーニングは楽しい遊び。「飼い主と犬が共通の趣味をもつことは本当に素晴らしく、何ごとにも代えられない幸せな生活になることを知りました」と江原さん。散歩、遊びからもう一歩踏み出した犬との触れ合いの形、一層絆が深まるアジリティー。江原さんとジーナの活躍とともに、この素晴らしいドッグスポーツが広く普及することを願っている。    (昌)

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