秋の褒章 日高地方は2氏に

 平成24年秋の褒章受章者が決まり、日高地方からは黄綬褒章で長年にわたり教科書供給業務に携わっている市内薗、山松文具代表の山本喜朗氏(71)、藍綬褒章で更生保護活動に尽力している日高川町小熊、保護司の鳥居忠氏(76)の2人が選ばれた。県内全体は7人。伝達、拝謁は13日に東京で行われ、銀杯などが贈られる。
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 山本氏は、昭和34年3月に旧御坊商工を卒業してすぐに父親が経営する山松商店に入り、58年2月、父親の死後、山松文具に店名を変更。教科書供給業務を引き継ぎ、現在に至る。一般書籍に比べ給与手数料が著しく低い上、各学校に直接納入をしなければならないなど労働力の確保から厳しい経営環境。そんな中も53年間にわたり教科書供給業務を継続し、学校教育への深い理解と強い使命感、責任感を発揮。受け持ち校は御坊、美浜、日高川の3市町の16校(小学校10、中学校5、支援学校1)で、供給半径は52・2㌔。県道御坊美山線が整備されていなかった時代でも旧美山地区までバイクを走らせるなど苦労も多かったが、迅速確実な供給で業務を完遂。学校や地元教委から厚い信頼が寄せられている。昨年9月の台風12号災害時には被災地の児童生徒の教科書補給に素早く対応した。昭和52年4月から平成2年5月まで地元の小中学、高校のPTA役員として活躍。19年6月からは御坊署駅前交番協議会の副会長として地域防犯活動の推進にも貢献している。「自分1人での受章ではなく、受け持ち校の担当者や教育委員会の方々に大変お世話になった。亡父の代理でいただいたとも思っています。今後も教科書供給に全力を尽くします」と話している。
 鳥居氏は、日高町の収入役を務めていた昭和62年に保護司に委嘱、現在まで25年間にわたり従事。罪を犯した人たちの精神的、社会的な支えとして社会復帰した際に幸福な人生を送れるよう献身的に活動。帰住先の環境調整も行っている。平成13年からは日高保護士会副会長。覚せい剤、暴力、窃盗、わいせつ、飲酒運転など十数件を担当。日常の生活状況など聞き、厳しくしかったり励ましたり、家族や関係者の協力を得て相談、指導。面談は週1回ペースで行い、「対等の立場で明るく対応する」をモットーに友人のように接することを心がけている。覚せい剤に手を染めた人には時間をかけて辛抱強く対応。健康被害を説明し、交友関係の改善や盛り場へ立ち寄らないことを訴え根絶に尽力。窃盗を犯した人には勤勉を勧め、飲酒運転をした人には社会的責任や交通法規について話し合うなどで再犯防止に努めている。携わったほとんどの人が、健全な社会生活を送っており、「担当を外れた後も家を訪ねてくれた人から真面目に暮らしていると聞くととてもうれしい」と話す。「身に余る光栄。先輩や同僚をはじめ、多くの方々のご支援のおかげです。今後も健康が続く限り、社会のために頑張っていきたいと考えています」と話している。

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