台風被害の老星組に獅子頭を無償提供

 昨年9月4日に上陸した台風12号豪雨で秋祭りの祭礼道具一式が被害を受けた日高川町老星 (おいぼし) 組 (原見拓磨年行司) に、 御坊市薗の自営業、 杉本卓治さん (45) が獅子頭を無償提供した。 獅子頭は日高川の濁流で使用不可能になり、 地方紙で被害を知った杉本さんが組に申し出て制作した。 老星組は10月6日宵宮、 7日本祭りの小釜本の長子八幡神社の秋祭りに参加。 獅子頭は本祭りで披露される。
 台風12号豪雨によって大きな被害を受けた日高川町では昨年、長子八幡をはじめ、三百瀬の紀道、江川の丹生、皆瀬の下阿田木、土生の土生八幡の5つの神社の秋祭りで余興物等を自粛、神事のみ執り行った。
 長子八幡神社の秋祭りは鬼の追い出しで有名。昨年の台風で氏子2人の尊い命が奪われ、老星組では日高川の氾濫で集会所が床上1㍍まで水没。保管していた祭礼道具一式が被害を受けた。獅子頭は日高川の濁流でペシャンコ。色あせ、目は外れ、毛は抜け落ち、耳はぶら下がっているだけという悲惨な状態。組一同が「来年以降、祭りに参加できるのだろうか」と不安がっていたところへ杉本さんが修繕を申し出たが、 とても修繕できない状態だったため新たに制作することにした。
 杉本さんはタイル業のかたわら20年ほど前から獅子頭や笛など祭礼用具の制作や修繕を手がけている。 自身も大の祭り好きで、台風の影響による大きな被害に「みんな家や田畑、職場などの復旧に大変な中、祭礼道具を修繕するのに必要な寄付金は負担となる。何とか力になりたい」と思い立った。昨年10月から制作を始め、約1年かけてこのほど完成した。真新しい獅子頭は33㌢の尺一サイズ。丁寧に和紙で制作されている。原見年行司(36)と皆瀬幸市区長(67)は「杉本さんのおかげで祭りに参加できるようになりました」と感謝し、「昨年の分までより一層いい祭りにしたい」と意欲を見せた。
 日高川町の主な秋祭りは10月7日が紀道、丹生、14日が下阿田木、21日が土生八幡、11月3日が寒川(いずれも日程は本祭り)。

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