御坊の善妙寺 天井絵の描き直し進む

 市内島、 浄土真宗本願寺派 「善妙寺」 (木下眞人住職) では、 本堂にある天井絵152枚の描き直し作業が門徒らのボランティアで進められている。 古くなって破れている絵もあることを知った日高町小坂、 日本美術院会員の鈴木薫さん(62)が 「日本画という伝統文化を残し、 伝えたい」 との思いで立ち上がり、 門徒にも協力を呼びかけた。 完成までは数年かかる地道な作業となっている。
 本堂は230年前に再建された歴史があり、 天井絵の画家は不明だが、 再建時に描かれたと推定される。 大きさ40×42㌢が96枚、 35・5×37㌢が56枚。 花鳥風月をモチーフにした日本画が描かれているが、 いずれも長年の歳月を経て色がはげ落ち、 破損も目立ってきた。 鈴木さんが指導している日本画鈴蘭会のメンバーの1人が同寺の門徒という関係でこの話を知った鈴木さんが、 本人は門徒ではないが 「伝統あるお寺に日本の伝統文化である日本画を残せれば」 と思い立ち、 天井絵全てを描き直すことにした。 当初、 鈴蘭会のメンバーらプロの画家だけでの作業も考えたが、 「数百年に1度の大仕事だから、 門徒の人たちも携われる方がいい記念になって喜ぶのではないでしょうか」 と門徒のアマチュア画家にも協力を依頼した。
 いまある天井絵を修繕して復元するのではなく、 全て新調。 昨年10月から毎月1、 2回のペースで本堂に集まって、 鈴木さんの指導を受けながら作業を進めている。 メーンのモチーフは同じく花鳥風月で、 中には迫力の龍の絵も。 「箱絵形式」 の描き方で、 特殊な紙に極彩色の 「水干絵の具」 を使って色鮮やかかつ繊細に仕上げている。 現在、 全枚数の約3分の1となる45枚が完成しており、 鈴木さんは 「あと2年余りあれば出来上がると思います。 プロもアマチュアもいっしょになっての作業ですが、 いいものになればと思います」 と話している。 完成後にいまの天井絵をはがして、 新しい絵を張り付けていく。
 天井絵の修復や新調などは本来多額の費用がかかる。 今回ボランティアの力で進められていることに対して木下住職は 「本当にありがたいことです。 これを機会にご門徒さまとの縁が一層深まれば」 と期待している。

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