報道で地域がよくなることを信じて

 世の中には新聞、テレビ、ラジオなどで情報があふれている。インターネットを開いてみても、1つの事柄に対していくつものニュースが掲載されている。報道写真も無数と言っていいほど多い。しかし、当たり前のことだが、その写真は誰かが現地に行って撮影したから存在する。現場に足を踏み入れなければ、その臨場感を伝えることはできない。
 日本人ジャーナリスト、山本美香さん(45)が内戦状態のシリアで取材中に銃撃を受け死亡した。人が殺し合う悲惨な戦場を世界の多くの人に伝えようと、恐怖と背中合わせの中で取材を続けた。人々が銃を向け合う戦いに恐怖を感じて反戦を訴えたり、平和な日本に感謝することができたりするのもこうした人たちのおかげと言っても過言でないかもしれない。テレビや新聞、インターネットなどから流れるニュースの向こう側にはこうした人たちの命をかけた努力がある。
 インターネット上のニュースで以前に山本さんが大学で講義した時のことについて書かれていた記事を見つけた。「講義後の質問で、学生から『報道は本当に戦争を止められますか?』という問いに対し、彼女は『私は報道で戦争を止めたいと願っているからこそ、ジャーナリスト活動を続けている』」と答えたという。
 危険な戦場とはほど遠い日高地方だが、筆者も地方紙の記者として取材活動を行っている。人が殺し合う戦いが発生しているという観点からみれば小さ過ぎることだが、当地方にもいろいろな問題はある。「紙面で地域が少しでもよくなる」ということを信じ、日々ペンを走らせたいと思う。 (雄)

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