普段も「聴く」を大事に

 記事を書くうえで、 同じ読み、同じような意味の熟語に使い分けがある。 例え ば「かんしょう」。「観賞」 は「見て楽しむ」 の意味で映画、 自然、花、風景などと一緒に用いられる。「鑑賞」は「芸術作品などを味わい理解する」で、絵画や能楽。「観照」は「客観的に見つめ本質を思索する」とあり、自然、人生などの言葉とセットになることが多い。このような使い分けは記事を書く時に参考にする「記者ハンドブック」 に記載されており、「きく」などもそれ。「聞く」 と 「聴く」は、きく態度によって使い分けるようにとされている。簡単にいえば 「聞く」 は一般的に広く使われ、「聴く」 は注意深く耳を傾ける意がある。
 「聞」と「聴」。同じように「耳」という字が使われているが、「聴」にはさらに大事なものがある。つくりを見てみると、「十(プラス)」、「目」、それに「心」。すなわち記憶に残し、相手が話したことを自分のものにするためには耳を傾けるだけでなく、相手をよく見て、さらに心(気持ち)も入り込まなければならない。先日の由良中防災教育。講師の海上自衛隊員は「(大地震が発生しても)この中学校で1人の犠牲者も出したくない」との強い思いで、本題について話される前にこの「きく」の意味を紹介し、生徒に「聴いてほしい」と訴えていた。
 「聴く」は、コミュニケーションに一番重要な行為だと思う。 親子同士はもちろんのこと、友人同士、 上司と部下、 同僚同士。 それに政治家にもその態度は忘れてもらいたくはない。 ちょっとした行き違い、すれ違いで大きな事件にまで発展するご時世。 仕事ではいうまでもないが、普段ももっと聴くを大事にしていきたい。
       (賀)

関連記事

フォトニュース

  1. モチーフはヤタガラス

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 出撃直前、さくら弾機が炎上 極秘扱いで「知られざる特攻機」とも呼ばれたさくら弾機は、直径1・6㍍、…
  2. 飛行機乗りが夢だった 1944年(昭和19)6月、日本はマリアナ沖海戦に敗れてサイパンが陥落し、絶…
  3. 激戦のフィリピンで6年 日米開戦直後の1941年(昭和16)12月22日、日本は米軍の支配下にあっ…
  4. 空襲に怯え、悲痛な思い 大戦末期、空襲に怯え、悲痛な思いをした御坊市島の竹田(旧姓=山﨑)玉枝さん…
  5. 根室空襲、艦載機が猛爆 大東亜戦争末期、制海権を失った日本は北海道まで米軍に押し込まれ、1945年…

Twitter

書籍レビュー

  1.  還暦を過ぎても精力的に新作を発表し続ける東野圭吾。木村拓哉と長澤まさみ主演で映画化もされた人気シリ…
  2.  1945年8月15日正午、天皇陛下がラジオで国民に向けて終戦の詔書を読み上げ、国民はこのいわゆる玉…
  3.  テレビで見ない日はないぐらい、ニュースを視聴者に分かりやすく解説してくれるジャーナリスト池上彰氏。…
  4.  元アニメーターで江戸川乱歩賞作家、真保裕一の「行こう!」シリーズ最新作。今年5月に文庫化されました…
  5.  今回紹介するのは2005年に発行された推理小説家石持浅海の「君の望む死に方」。前作の「扉は閉ざされ…
ページ上部へ戻る