犯人は身近に潜んでいる

 地下鉄サリン事件などで特別手配されていたオウム真理教の高橋克也容疑者が、ようやく逮捕された。昨年12月31日に平田信被告が自首してから半年、菊地直子容疑者も含め手配されていた3人全員の身柄が確保された。11月の指名手配犯捜査強化月間に合わせて毎年、この3人の手配写真を紙面で掲載してきたが、もはや生存していないのではないかとよくささやかれていた中、このような形で全員が逮捕されるとは正直、思っていなかった。最後は国民を挙げて包囲網を張り巡らして高橋容疑者を追い詰めた。逮捕のきっかけも実際、一般からの通報が決め手となった。17年間も逃亡させてしまったが、悪事を働いて最後まで逃げおおせることはできないということだ。
 それにしても驚いたのは、菊地、高橋両容疑者は仕事をして生計を立てるなど、社会に溶け込んで生活していた点だ。行動範囲は広くなく、息をひそめた逃避行というよりも、控え目ながら堂々と生活を送っていた印象が強い。隣近所の付き合いが希薄化している日本の問題点を表しているといっていいかもしれない。人の多い都会ではなおさらだろう。犯罪検挙率が減っている一つの要因といえるが、犯人は意外と身近にいるという意識を持てと訴えた逮捕劇でもあった。
 もう一つ驚いたのは、手配写真と実物が違いすぎたこと。長い月日がたてば仕方がないことだが、今後の捜査の在り方にも一石を投じたのではないだろうか。全国の警察が指名手配している容疑者は、まだたくさんいる。手配写真とイメージは変わっているかもしれないが、手配犯検挙への意識が高まっているいま、未解決事件の情報をもっと発信するべきだろう。   (片)

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