「もしも」から「いつも」へ

 東日本大震災からちょうど1年たった3月11日。テレビ各局では、特番や特集が朝から晩まで放映されていた。可能な限り録画し、少し遅くなったがいま順番に観ていっている。
 震災直後は防災カメラや各局のテレビカメラの映像が主だったように思うが、時間が経過して被災者自らがビデオや携帯で撮影した映像もテレビ局が入手し、放映されていた。家ごと流され、屋根の上に置き去りにされたまま漂流。その後、小船を見つけて乗り移り、九死に一生を得た少年。父親の静止を振り切り、自宅前へ車を取りに戻ったところ濁流にのまれたが、危機一髪で脱出、生還を果たした人。足を骨折しながらも高台へたどり着いたお年寄り、車椅子のお年寄りを自分の命をかえりみずに助けようとした介護職員。再現ドラマでもない、壮絶な現実。もしも自分がこの状況に置かれた時に同じような行動をとって生きながらえることができたのだろうかと考えさせられた。
 本県でも近い将来、東南海・南海地震の発生が懸念されており、さまざまな防災対策を記事で取り上げる。文中には「もしもに備えて」と記されるが、ある番組では「備えは、もしもではなく、いつも」と紹介されていた。食べ物と水は2日分程度備蓄、車のガソリンは常に半分以上にしておく。携帯は予備の電池または停電しても使える充電器。さらにカセットコンロ、子どもがいる人ならオムツ、逃げられない人なら話題になっているシェルター。普段の生活の中で「いつもの備え」が重要ということだ。
 生々しい、リアルな映像をいくつも観て、大災害時は生と死の境界はほんの少しのことと痛感。できることはやっておこう。 (賀)

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