ALWAYS 元気だった昭和

 高校の恩師からの年賀状に、「時代はまた動き始めました」とあった。昭和が終わり、ソ連が崩壊したあのころも、先生はよく「時代が動いている」と話しておられた。まだ消費税もなかった当時からもう25年、働けど働けど、暮らしは楽にならない。
 公開中の映画『ALWAYS 三丁目の夕日64』。東京五輪に沸いた昭和39年の下町を舞台に、家族の絆を描いた物語が感動を誘う。自分の子どものころを振り返っても、父親がやってた散髪屋は近所の人のたまり場で、学校から帰ると面白いおいやんがいっぱいいた。箕島―星稜の延長18回や王貞治の756号、三菱銀行北畠支店立てこもり事件などのテレビ中継にみんなで興奮。映画に負けない昭和があった。
 1学年3クラスで120人ぐらいいた中学生になると、街に出るたびヤンキーにびくびく。プロデビュー前の辰吉丈一郎のような荒くれ集団が周辺の学校をシメて回り、小学生のときによく泣かした子が転校し、都会でとんでもない番長に大化け、シャケのように帰ってきて呼び出されたときは、「殺される…」と本気で思った。これに似た経験があり、恐怖から逃げるために猛勉強で和歌山市の中学校へ進学したという印南出身の作家辻原登さんの気持ちが痛すぎるほど分かる。これもある意味、元気な昭和であろう。
 71年前、まことに小さな日本が大国アメリカにとびかかっていったのも昭和。先日、美浜町の男性に、大本営の空元気がむなしく感じる戦時下の週刊誌を見せていただいた(12面に記事)。これは二度と繰り返してはならないが、時代の奔流のなか、日本が元気を取り戻すには国の構造を変え、世界に打って出ねばならない。    (静)

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