腕力なくとも気持ちは強く

 外交認識のない浮薄な善意は新たな問題の始まりとなる。安倍晋三元首相の予想通り、昨年の日韓併合100年にあたっての菅前首相の朝鮮王室儀軌の韓国への引き渡し表明、続く野田政権下の引き渡しが「日本の歴史問題に対する反省」ととられ、日本の海での韓国漁船の違法操業、韓国日本大使館前の公道上への慰安婦の碑の設置と、反日がエスカレートしてきている。
 来年は日本にとって重要な関係国のリーダーがことごとくかわる可能性がある。新興大国に民主主義のルールを守らせようと、アメリカが経済ネットワークを主導すれば、ロシアは中国と連携しながら日本に武力的な圧力を強め、韓国も国内のガス抜きに反日を強調する。
 一連の動きも自国の国益を考えるうえで外交的には当然の姿勢とはいえ、問題は日本の対応。過去の条約などくそくらえとばかり、なぜ、日本はこれほどまでみくびられ、蔑まれ…ようするにナメられるのか。いらぬケンカを仕掛ける必要はないが、せめていいがかりには反論、反発する気持ちの強さを示さねば、いつまでも真の国際社会の一員にはなれない。
 北朝鮮の金正日総書記が亡くなった。日本国民の多くは、あの国が民主的な開放路線へと変革していくきっかけになればと願い、拉致問題の全面解決に向けた前進を期待する。ピョンヤン市民が偉大なる将軍さまの死に大声で泣き崩れる映像を見るかぎり、まだ道は長いと思うが、野田政権は米韓、中国と協調しつつ、拉致問題では韓国と中国の態度を見習い、被害者である立場から拉致された人たちの「返還」を強く怒りをもって要求せねばならない。    (静)

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