TPPにどう対応するか

 先日、野田佳彦首相が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉に参加することを表明した。加盟国内の貿易では国内産業保護を目的とする関税がなくなり、自由貿易化が図られるという制度。自動車や電機製品などを輸出している企業にとっては歓迎だが、農業や漁業の従事者らにとっては外国から安い商品が輸入されることになり、大きな打撃を受けるとみられている。ただでさえ中国産の野菜など安い農産物などが海外から輸入されている現状だが、さらに農業経営が逼迫すると考えられる。言ってみれば、これまでは外国と試合する場合、日本がホームゲームだとハンディをもらっているようなものだったが、今後はそのハンディがなくなる可能性がある。
 しかし、一部の農家は日本がTPPに参加することをチャンスと捉えている。品質の高い日本の農作物が海外の富裕層に消費してもらいやすくなるという考え方もあるからだ。日高地方の農業に目を向けても、特産の梅などについてはTPPを機会に海外に輸出するチャンスでもあるのではないだろうか。海外でも健康食としての日本食が見直されており、梅酒などは外国でも十分に売り出すことが可能だと思うのだが。
 いま、国論を二分しているTPP。日本の産業を変える分岐点になるかもしれないほど重要な問題。筆者は決してTPP賛成という立場ではないが、産地としてのブランド力や安全安心を高め、外国勢に対抗することが重要だとは思う。近年は経済のグローバル化が進んでいる。地域農業も例外ではなく、世界でどう戦うかという時代に入っている。  (雄)

関連記事

フォトニュース

  1. こうやって来てくれたら助かるわ

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る